昨今では、働き改革の一環として、多くの企業や組織が副業を認めるようになってきました。
しかし一方では、副業を禁止する企業も少なくありません。
いったいなぜ、副業を禁止するのでしょうか。
会社が副業を禁止にする理由はなんなのでしょうか?
当記事では、副業を禁止する理由を挙げていき、副業禁止によるメリット・デメリットについて考えていきます。
副業を禁止にする4つの理由
そもそもなぜ会社は副業を禁止にするのでしょうか。
4つの理由を挙げていきます。
仕事の劣化
副業をしている人は、副業に時間を割いた分だけ本業に割ける時間が減ります。
そのため、本業の仕事の質や量が低下することが懸念されます。
「あくまで業務時間外にやっているんだから、本業に割ける時間は関係なくない???」と感じる方も多いでしょう。
しかし会社は、副業をしていることで残業しなくなるとか、普段の仕事の質・量の低下とかを懸念しているようです。
会社のイメージダウン
副業をしている社員が、会社外でトラブルを起こした場合、会社のイメージが損なわれる可能性があります。
また、副業が会社の業務と競合する場合、会社の信用を傷つけることになるかもしれません。
そういった、「もしも」の時のために、副業を禁止している会社もあるようです。
安全管理の観点
一部の企業や業界では、副業が禁止されている理由として、安全管理の観点からということもあります。
例えば、医師や飛行機のパイロットなど、専門的な知識や技術が必要な仕事です。
副業が安全に影響を与える可能性がありますよね。
そういった職種の人だと禁止されています。
情報漏洩のリスク
会社で働いている人が、副業で別の会社や組織に関わる場合、報が漏洩するリスクがあります。
特に、機密情報や個人情報など、重要な情報を扱っている場合は、副業禁止が必要な場合もあります。
以上が、副業禁止の理由の一部になります。
企業によって禁止する理由は異なりますが、これらの理由を踏まえて、副業禁止をしている企業も多いことが分かります。
企業側にもやむを得ない事情があるところもあるということは理解しておきましょう!
副業禁止による5つのメリット
副業禁止という制度があると、以下のようなメリットがあります。
- 「本業への集中力が高まる」
副業をしていると、どうしても本業に割ける時間やエネルギーが削られるケースが想定されます。しかし、副業が禁止されている場合は、仕事に集中することができ、生産性が向上すると考えれらます。 - 「業務内容の漏洩リスクが低下する」
副業をしている人は、別の会社や個人とのつながりが生まれることがあります。しかし、副業禁止制度がある場合は、業務内容が外部に漏れる恐れが低下します。企業の機密情報や知的財産を守るために禁止している会社もあるでしょう。 - 「組織全体の効率が上がる」
副業禁止制度があると、同じチームや部署で働く人たちが全員本業に集中することができます。そのため、組織全体の生産性が向上する可能性があります。 - 「疲労やストレスが軽減される」
副業をすることで、働く時間が長くなります。労働時間が長期化することで疲労やストレスがたまりますよね。しかし、副業禁止制度がある場合、労働時間が制限され、労働環境が改善されることが期待されるわけです。 - 「組織のルールや文化を守ることができる」
副業禁止制度は、組織のルールや文化を守ることができます。企業によっては、副業を禁止することで、従業員に「この会社で働くことが最優先である」といったことを社員に感じさせることで、組織の団結力を高めることができます。
以上が、副業禁止制度がもたらすメリットです。
労働者的にも多少のメリットはあるにせよ、やはり、企業側の方に恩恵が大きく、あまり魅力には感じませんね。
あくまで従業員に大きなメリットがあるというより、会社側のためのメリットといった感じです。
副業禁止による4つのデメリット
副業禁止という制度があると、以下のようなデメリットがあります。
- 「従業員の副業の選択肢が減る」
副業禁止の制度があると、従業員が副業をすることができなくなります。副業は、収入源の確保やスキルアップなど、様々な目的で行われることがありますよね。副業禁止制度がある場合、従業員は副業するという選択肢がなくなってしまいます。副業を禁止してしまうことで、経済的な自由やスキルアップの機会を失う恐れがあります。 - 「人材の流出が起こる」
副業禁止制度がある場合、副業をしたいと考える人は、他の企業や業界に流れる可能性があります。企業にとって人材の確保や定着に悪影響を与える恐れがあるでしょう。 - 「従業員のモチベーション低下」
副業は収入源の確保やスキルアップの機会を向上させます。しかし、副業禁止制度があると、従業員は副業ができません。そのため、給与アップのベースが良いなどの好条件がなければ、社員のやる気や本業に対するモチベーションが低下する可能性があります。 - 「副業が禁止されていても、副業する人が出てくる」
副業禁止制度があったとしても、隠れて副業をする人は出てきます。
以上が、副業禁止制度がもたらすデメリットです。
禁止にするメリットはたしかにありますが、従業員のモチベーションを考慮すると、かなりのデメリットになりそうですね。
副業が当たり前の時代になってきているため、やはり副業禁止は時代錯誤な印象は受けます。
給料があまりよくないと、転職もやむを得ないといったことにもなってくるでしょう。
次の項目で「副業禁止は企業にとって有益な選択肢なのか?」もう少し掘り下げて考えていきましょう。
【考察】副業禁止は企業にとって有益なのか?
副業の禁止には、メリットとデメリットが混在しています。
まず、メリットとしては、次のような点が挙げられます。
- 副業禁止によって、従業員の集中力が高まる
- 副業禁止によって、本業に専念できる可能性がある。
- 副業禁止によって、機密情報が漏洩するリスクが低くなる可能性がある
一方、デメリットとして次のような点が挙げられます。
- 副業禁止によって、従業員が他で働くことができなくなり、人材の流出やモチベーション低下が起こる恐れがある。
- 副業禁止によって、従業員のプライバシーが侵害される恐れがある。
- 副業禁止が徹底されてしまっていると、企業が求めるスキルや知識を持つ人材を確保することが難しくなる恐れがある。
副業禁止が企業にとって有益かどうかという結論は、企業の立場や目的によって異なります。
従業員のモチベーションやスキルアップの機会を大切にする企業は、副業禁止が逆効果になる恐れがあります。
副業を禁止にするか、解禁するのかについて、会社は慎重に判断する必要があります。
まとめ
副業禁止には、従業員の集中力向上や機密情報漏洩の防止などのメリットがあります。
一方、従業員の人材流出やモチベーション低下などのデメリットも存在します。
副業禁止の理由は、企業によって異なりますが、機密情報の保護や労働時間の管理、健康維持などが考えられます。
副業禁止が企業にとって有益かどうかは、企業の立場や目的によって異なります。
従業員のモチベーションやスキルアップの機会を大切にする企業は、副業禁止が逆効果になる可能性があるため、慎重に判断しなければならないでしょう!